チリの交通事情その1~高速道路~

 かなりご無沙汰です。

 チリの交通事情について書いてみたいと思います。
 今回は、高速道路について。スペイン語ではAutopistaと言います。

 チリの首都は私が住んでいるSantiago。人口の半分以上がここに集中していると思います。

 ここから渋滞なしで車で1時間半ほどの場所に、Valparaiso、Viña del Marという都市があります。この2つはかなり近く、15分ほどで行き来できます。ひとつの都市といわれても納得できるくらい。Valparaisoは通称Valpo、高低差が激しい山肌沿いにカラフルな家が並ぶ街並みは世界遺産に登録されています。バケーションや連休のときにほとんど全てのSantiago住民がこの2つの都市に移動する、と言われています。

 Santiagoからは、Costanera NorteからRuta 68 という高速道路に合流し、途中の出口で降りることなく終点(?)のValparaisoまで。途中に料金所とトンネルが2つずつあります。


 制限速度は基本的に120km/h。場所によって(カーブのきつい場所など)は100km/h、トンネル内は90km/hとなっています。
 日本の速度規制のように遊びはなく(日本では+30km/hオーバーしたら捕まると聞いたことがあります)、120km/hを超えていたら捕まります。また、日本のような覆面パトカーは存在せず、路肩や、出入口の死角になる部分にパトカーを止めて速度計測の機械を向けていたりします。

 そもそも、日本では高速に対して一般道を下道と言ったり、高速を出ることを降りる、というように、高速は高架の上を走っていることが多いですが、チリでは(アメリカなんかもそうですが)特に都市間を結ぶ高速は平野のど真ん中に走っている...という感じです。

 SantiagoーValparaiso間では無いですが、Campoと呼ばれる農村付近では、野菜や果物、はちみつなどの農産物の直売所みたいなお店もあります。

 サービスエリアといえるような施設もなく、ガソリンスタンドがその機能を担っています。

 ちょっとした町なんかのエリアに来ると並行してCalle Local(一般道)が走っていますし、高速の真横に、直接道が繋がったかたちで警察署があったりします。ドライバーは皆そこに警察がいることがわかっているので、3km程手前から皆減速し始めます。
 警察の方もそこまで躍起になって捕まえようとしているわけではなく、危険運転がないように、という感じで高速を横断するための橋の上に立って威嚇(?)していたりします。あとは、路肩に無人でパトカーを置いてランプを光らせておくだけだったり。


 料金所は日本のものとあまりかわらない感じです。

 Santiago中心部に向かうためのCostanera Norteや、そこから新市街の方に伸びているPresidente Kennedyという高速では料金所はなく、Tステッカー(?)を取り付けて自動支払が必須(あまり詳しくないのですが、一日だけ用のプリペイドのものもあるそう)なのですが、Ruta68ではETC的な自動ゲートはあまり普及しておらず、各料金所に2つずつしかありません。
 この装置がなければ、普通に並んで支払って通過します。


 ただ、バケーションの期間や3連休などでは多くの人がValpo, Viñaに出かけるため大変な混雑。先週末も3連休でしたが、17万台の車が土曜日までにSantiagoを出発したというようなニュースがありました。

 このような場合、料金所の手前は大渋滞。そこに、黄色の蛍光ベストを着た人たちがたくさんスタンバイしています。

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 彼らは、料金所を通過するためのチケットを売っていて、現金・釣銭なしで支払ができる場合のみ、これを購入することができます。あとは自分の番が来るのを待って、ゲートにいる係員にチケットを渡せばすぐに通過できます。少しでも流れをよくするための知恵ですね。
 同じようなかたちでおかしや飲み物を売っていたり、消防士が寄付を募っていたりすることもあります(チリの消防士はボランティアです)。

 料金所のエリアには上りと下りを分ける壁がなく、混雑が予想される方に多くの窓口を振り分けるという柔軟な対応ができるようになっています。(しかし、料金所で広がった後に結局2車線しかないので、本当に混雑がひどいときは本線合流にかなり時間がかかります。)

 年末年始などの大渋滞が予想される場合には、Santiago-Valpo間を全て片道一方通行にしてしまったり、反対車線のうち一車線を開放、トラックは早朝・夜間以外走行禁止、早朝は料金が少し低い、など、日本では考えてもみなかった対策が講じられています。
 それでも渋滞はなかなか解消されませんし、連休のたびに交通事故のニュースが流れてしまいますが。

 ちなみに、観光でViña del Marへ向かう場合、ハイシーズンならViñaへの出口で出るのではなく、Valparaisoの方に出てから海岸沿いでViñaに向かう方が早く到着できる場合があります。
 Viñaへの出口は、かなりたくさんの車が使うのにも関わらずすぐに一車線になってしまうのですが、Valpoまでの道はずっと2車線なので少しはマシというわけです。

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上はValpoとViñaをつなぐAvda.Españaの写真です。このように、海岸沿いの道のドライブになるので景色もなかなかですよ。


高速を運転する際の注意点は、まずなによりも車間距離を十分にとること、です。チリ人は日本での感覚からすると危険な運転が多いです。超直前でウィンカーもなしに車線変更とか普通です。

あとは、高速に結構普通にサイクリスト、歩行者が居ます。歩行者はだいたいバス停の近くにいて、たまに高速を普通に横断しています。本当に危ない。サイクリスト前方にいる場合、前の車が追い越すために急に車線を変えたりすることもあるのでこれも要注意です。

以上、チリの交通事情その1、高速道路についてでした。